ISO内部監査の支援って何をしてくれるの?規格別要件と実務対応について徹底解説
- 敏行 鎌田
- 2 日前
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目次
ISO内部監査支援とは何か?
内部監査が求められる背景と各ISO規格の位置づけ
ISO内部監査の実務ステップと支援内容
支援サービスの種類と対応範囲(9001/14001/27001等)
内部監査支援サービス選定のポイントと注意点
支援企業・外部コンサルティングの比較と導入実例
内部監査員の教育・資格と外部委託との棲み分け
よくある課題とその対策
まとめ:ISO内部監査支援を戦略的に活用するには
ISO内部監査支援とは何か?
ISO内部監査支援とは、ISO認証を取得・維持している企業が、そのマネジメントシステム(QMS、ISMSなど)に対する内部監査を効果的かつ効率的に実施するために、外部の専門機関やコンサルタントが提供する支援サービスです。主に次のような支援が含まれます。
年間監査計画・監査プログラムの策定
監査チェックリスト作成支援
内部監査の代行または同行実施
監査報告書の作成
不適合事項の是正・改善提案
企業の監査体制に応じて、フルサポート型とスポット支援型に分かれます。
内部監査が求められる背景と各ISO規格の位置づけ
ISO規格における内部監査の位置づけは極めて重要です。下記の規格では、「監査プログラムの計画・実施・報告・フォローアップ」が体系的に要求されており、定期的な内部監査が継続的改善の中核を担います。
ISO 9001(品質)
プロセスの有効性・製品品質の適合性評価
ISO 14001(環境)
環境パフォーマンスのモニタリングと法的適合の確認
ISO 27001(情報セキュリティ)
情報資産保護とリスク対応の有効性評価

ISO内部監査の実務ステップと支援内容
内部監査支援サービスは、以下のような段階ごとに構成されます:
リスク評価と対象選定
監査範囲と対象プロセスを決定。
計画書・手続書の策定
年間スケジュール、目的・基準・手法の明確化。
実査の実施
インタビュー・証憑確認・現場巡視。
報告書作成とフィードバック
発見事項・是正提案を含む報告書提出。
フォローアップと改善支援
是正措置状況の確認と報告書のアップデート。
支援サービスの種類と対応範囲(9001/14001/27001等)
規格 | 監査対象 | 主な支援範囲 |
ISO 9001 | 品質管理・顧客満足 | 監査項目マッピング、不適合原因分析 |
ISO 14001 | 環境負荷・法令順守 | 法的要求事項監査、環境側面チェック |
ISO 27001 | 情報資産管理・リスク評価 | ISMS監査、技術的対策の監査設計 |
ISO 45001 | 労働安全衛生 | ハザード分析、予防策監査 |
支援内容は、内部監査だけでなく、事前教育、報告会、是正指導まで含むケースもあります。
内部監査支援サービス選定のポイントと注意点
規格対応の実績
自社が対象とするISO規格への支援経験があるか。
業界理解
製造、IT、医療など業界特有の規制・運用を理解しているか。
提供範囲の柔軟性
監査同行・代行、文書レビューなど、必要な部分のみ依頼できるか。
費用対効果
料金体系(定額/時間単価)と成果物の明確さ。
監査員の資格
IRCA等の国際資格保有者による支援か。
支援企業・外部コンサルティングの比較と導入実例
内部監査(ISO監査も含む)コンサルティングを依頼する際のおすすめ企業については別の記事で解説しているため、そちらをご覧ください。
内部監査員の教育・資格と外部委託との棲み分け
内部監査員育成
ISO 19011準拠の監査技術教育、OJTプログラム。
外部支援との併用
監査件数の多い年度や、特定リスク領域の監査のみ外部活用。
研修内容例
監査倫理、ヒアリング技法、観察と記録、報告技術等。
よくある課題とその対策
課題 | 原因 | 対策 |
監査が形骸化している | チェックリスト依存・形式主義 | リスクアプローチと目的ベースの再設計 |
是正処置が機能しない | 根本原因分析が甘い | 5WHY、FMEA等の手法活用指導 |
経営層が関与しない | 報告内容が業績に直結しない | KPI連動型報告フォーマット導入 |
まとめ:ISO内部監査支援を戦略的に活用するには
ISO内部監査は、単なる遵守確認ではなく、経営改善やリスク低減に貢献するマネジメントプロセスです。信頼できる外部支援を活用することで、初学者の教育、リスク領域の重点監査、文書整備の平準化が実現します。企業規模や内部リソースに応じた外部委託の戦略的活用が、ISOマネジメントシステムの真の有効性を引き出すカギとなります。